Maria

チョコレートドーナツのMariaのレビュー・感想・評価

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)
4.5
相手に寄り添い、向き合って地道に愛を育んでいたのに、差別と偏見に満ちた世間の横暴によって引き裂かれ、すべてを壊されていく様があまりにもつらい。
視聴前は、ゲイ差別の酷い時代を描いてるからバッドエンドなんだと思っていたが、観てみたら今とそんなに変わらない。
半世紀以上たっても人の倫理観は大して進歩せず、想像力の乏しい人々が世間という形のない意識体を作り出し、暴力を振っている。特に今は社会が混乱期にあるため、倫理的に生きようとする人々と、伝統的価値観を誇示し差別を是とする人々の分断が進んでいるため、人種差別、セクシャリティーによる差別、国や民族への差別の声が大きくなっている。
差別や偏見によって沢山の暴力が生まれ、悲劇が繰り返されてきたことを、思い出させてくれる作品である。
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