よだりお

フルートベール駅でのよだりおのレビュー・感想・評価

フルートベール駅で(2013年製作の映画)
4.0
数年前、この映画ができたときに見ても遠い場所の酷い話だと、現実感なく見ていただろうな。
ネットの発達で、世界の反対側で起きている理不尽に当事者意識を感じることも、声を上げることも容易になった。一地球人として、絶対に許すことができないと思った。色々なことが重なった結果としての死だった。あの時女性の献立の相談に乗らなければ。あの時母親と会話して電車で行くことを決めなければ。妻と電車内で離れて座らなければ。全部、やらなきゃよかったって話なんだけど、知る由もないし、差別者側はこれらの"普通"の行動をとっても命の危険性がない。差別の本質とは、「普通の行動を取るのにも障害があること」だと強く思う。