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プリズナーズのaのレビュー・感想・評価

プリズナーズ(2013年製作の映画)
4.8
加速する狂気

私が今一番注目してるドゥニヴィルヌーヴ監督。作品もまだ少ないが今後がとても楽しみな監督。死ぬほど灼熱の魂が見たい。
内容は子供が誘拐され、その周りの人物の変わっていく姿や、心情が事細かく描写されていた。全体の雰囲気がかなりじめじめしており、陰湿と言えばよいのか、とにかく暗い作品。二時間半を思わせないほどテンポが良く、油断すると簡単に置いていかれる。だから、2、3回見た方がより楽しめる。楽しむ作品ではないが。確か、アメリカが子供の誘拐が断トツで多いんだっけな。とは言っても決して他人事ではないし、日本だって無いわけではない。ただ、犯人と思われる男を、監禁、子供の居場所を言わせるための暴行。必要以上に相手を痛め付けることはすごくアメリカらしさを感じた。これは日本人のまだ子供なんて年じゃない自分が言うのはおかしいかもしれないが見てられなかった。
父親役をヒュージャックマンが演じているが、とても様になっており、ウルヴァリンだけじゃないことも証明出来ただろう。怒り狂った演技や、鋭い目付きなど、父親だからこその怖さを感じた。tell me!!tell me!!
刑事役をジェイクギレンホール。最近この人の映画を良く見るが新たな一面が見れた。常に溜め息を吐き、事件を解決しようとする姿勢はかっこよく、オールバックが似合う。
そして、ポールダノ。こいつが映画全体の雰囲気を一段と湿らせる。役を徹底したのかかなり気持ち悪い。ナイス演技。

そして、ラストシーンは誰もが鳥肌間違いないだろう。暗く、重いミステリーが好きな方は是非見るべき。決して他人事ではない。

次々にプリズナーズが変わっていく過程も非常に見応えがある一作。
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