すごい。まず聖書の一部を映画にするということでかなりの覚悟があったはず。内容として神の啓示をうけたのがノアであるけど、あくまで「人間」であることをうまく、そしておそろしさをもって表現できてました。徹底して人間を悪と表現し、動物をその被害者とする。今まで映像化不可能と言われてきたものをこの時代の環境とかなんやかんやの問題が多いタイミングでつくったのは現代に対して何か意味があるのかもしれませんね。ラッセルクロウの演技はさすがです。神に選ばれた善良なる人としての柔らかさから、使命を果たすために狂ってしまう男の役の幅広さ。ビューティフルマインドで共演したジェニファーコネリーとの相性はやはりベストマッチです。突然変異級の綺麗さと子役から鍛えてきたエマワトソンがなかなか重要な役で登場が多く、演技がジェニファーコネリーを食う勢い。そしておじいちゃんのアンソニーホプキンスもさすがの深み。地球規模の話なんだけどノア家の描写もぬかりなくてまさに観客からの視点は神のそれというかんじでしたね。
