感情や経験が大切な思い出となり、思い出の積み重ねが性格を形成する。とても複雑で繊細なはずの脳内のそんな仕組みや機能をこんなにも見事にわかりやすく擬人化し、楽しく夢があるテーマパークのような世界観で表してみせたピクサーに脱帽です。ほんとに素晴らしかった！
個々の思い出が詰め込まれた水晶のような球体、ホームセンターの棚のような思い出球体の保管庫、形成された性格グループの島など何もかもが斬新でおもしろくエンターテイメント性に溢れていながら、なるほどと思わせる説得力をも持っている。
色褪せて記憶が薄れた思い出が捨てられる思い出のごみ捨て場には胸の奥が甘酸っぱいような切なさでいっぱいになりました。もう思い出せなかったり薄れてしまったり断片的にしかないけれど幼い頃とても大切だった思い出が誰にもあるはずだよなあと思い、気が付いたら不覚にも泣いていました。
そして感情の描写も素晴らしい。確かに考えてみると、怒りは、何くそやってやるぞと自らを奮い立たせたりモチベーションに転換させる原動力になりうるし、悲しみ、ビビリ、ムカムカなどネガティヴなように見える感情もすべてそれぞれに役割があるのだということにも気が付かされます。
身近でありながら深いテーマであることに加え、映像の美しさは息を呑んで見惚れるレベルだしキャラクターもイキイキしていて、子供も大人も親の立場にある人もそうでない人も楽しめるほんとに素敵な映画だった！ピクサーありがとう！
