こばまさ

母なる復讐のこばまさのレビュー・感想・評価

母なる復讐(2012年製作の映画)
3.4
『マリオネット』が不完全燃焼すぎたので、同じ事件を題材にした作品をわざわざレンタルしたよ。
流れはほぼ一緒だけど、視点が違う。
タイトル通り、これは被害者の母親による復讐劇。


あらすじは似通っているので省略。
ただ、こちらは犯人達が捕まった後の裁判の様子をちゃんと見せてくれる。
そこで、証拠不十分だの未成年だのという理由で無罪&保護観察処分。
少年法が、甘過ぎるのだ。

この時点で、かなりイライラしてきた。

裁判後、犯人の少年達は捕まらなくて良かった等とヘラヘラしてやがる。
そして更に、動画をネットに曝すとメールで脅して彼女を呼び出し、オモチャの様に扱う。
後日彼女は、耐えきれなくなり手首を切って自殺する…


はい、全員殺そう。
ワタシが許します。
文字通り“法が許しても、私はお前たちを許さない”の時間です。

この母親役を演じたユソン、『幼い依頼人』では毒継母で相当ムカついたけど…
今回は復讐する母親を、まさに熱演。
見事に演じ切った。

正直言って、これが子を持つ親の姿、気持ちだと思う。
法は裁いてくれない、警察も諦めて動いてくれない。
なら、やるしかないでしょ!!

ホラー映画なら、ここでチェーンソーか斧か鎌でも持ってぐちゃぐちゃに殺して欲しいところでしたが、これはリアルなドラマ。

ちゃんと1人ずつ追い込んでいく。
物足りないけど、リアリティを求めるならこれが正解。

ただ、ラストシーンだけは、ちょっと納得いかなかった。
そこまでする必要は絶対にない状況だったので、この映画を終わらす為の演出にしか見えなかった。


とにかくこの作品は、未成年の性犯罪に一石を投じた内容だろう。
その後の韓国事情は分からないが、少年法を見つめ直すキッカケになる様な、切り込んだ作品でした。


母親(ユソン)が娘の携帯を手に取り、娘が強姦されてる動画を見つけたシーン。
このユソンの演技には、涙も出たし鳥肌も立った。
こばまさ

こばまさ