KatsutoshiHonda

トパーズのKatsutoshiHondaのレビュー・感想・評価

トパーズ(1991年製作の映画)
4.5
成長の裏側に存在する退廃を明らかにし、退廃の先にある絶望と希望を提示している。

快楽行為によって、それを享受した肉体によってのみ「実存」を見いだそうとする退廃的な人々は、破滅と隣り合わせにある。しかし「実存的不安」を有すること自体、「進化」への欲求のあらわれであり、それらを置き去りにした人々こそが真の絶望であるといえる。

主人公アイは、最終的に破滅的な肉体快楽の代替として、手話とダンスによって実存を明らかにする。つまり映画は破滅的快楽を賛美しているわけではなく、身体性をもって実存を明らかにする人間を、希望をとして描いていた。
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