たまこラブストーリーの乾のネタバレレビュー・内容・結末

たまこの良いところって、純粋で素直で、大切なものを自分の中で優しく、やさしく抱き締められるところだと思っていたんです。そんなたまこがもち蔵の気持ちを知ってから、初めて女の子の顔を見せます。一方じぶんの気持ちを伝える気がなかったもち蔵が、お母さんの話をしながら寂しそうに笑うたまこを見て抑えきれなくなってすべてをたまこに話してしまいます。そんなもち蔵も、初めてたまこの前で男の子の顔を見せるのです。この映画のテーマはラブストーリーです。あんなに純粋だったたまこが、もち蔵の告白を聞いてから新しい気持ちに気付き、駆け引きを覚え、もち蔵の気持ちに応えようとする必死さに心が締め付けられました。ずっとたまこの事が好きだったもち蔵とは違い、たまこはただもち蔵のことが大切だったのです。それが、それがやっと好きだと言われて好きだと気づく。これぞラブストーリーです。また、もち蔵が想いを伝え、ギクシャクしてしまう気まずさからパソコンに入っているたまこのフォルダを消そうとするシーンが印象的でした。あんなに大切にしてきたたまこフォルダをごみ箱に運んでしまうほど、もち蔵はじぶんの気持ちを伝えてしまったことを後悔していたのです。だけど、消せなかった。もち蔵はたまこのお誕生日をしっかり毎年覚えていて、プレゼントまで用意するのに渡せないようなシャイな男の子です。押入れの中には毎年たまこに渡そうとして渡せていない誕生日プレゼントが山ほど入っているのです。そんなもち蔵がたまこに「好きだ」と伝えた時、紛れもなく一人の男の子でした。たまこラブストーリーの本当の良さはアニメありきだと思っています。今までもち蔵がどんな気持ちでたまこの側にいたのか。今までのことを考えながら観ると、倍楽しめると思います。