夕

ソロモンの偽証 前篇・事件の夕のネタバレレビュー・内容・結末

3.2

このレビューはネタバレを含みます

子どもたちから溢れる好奇心と正義感のバランスがあんまり好きじゃなかった、そこに責任の不在をどうしても感じ取ってしまう、もちろん中学生に対して責任論を問うこと自体の是非はあると思うけど、それを言っちゃうとおしまいみたいなところもあるしな…ちょっとずるい感じするな
仮に「蝿の王」みたいな子どもたちしかいない世界で行われてたとしたらまた違う印象を持つ気もする、テーマが子どもの死でなかった場合も同じく
これらの理由は演技にも脚本にも求められる気がする、原作読んでないけど多分宮部みゆきの文章だけならもうちょっとシリアスに引っ張り込める気がする(それはある意味では文章だけで表現しきれない実際の子どもらの快活さや表情の機微、会話の間がこの映画で表出しているからだということかもしれない、結果的にそれらの産んだ効果が気に食わなかったわけやけど)
大人たちの演出がいかなる役柄の人物であれ片っ端からいけすかなかったのがスゴイ
全親、全教師、ついでに刑事や記者も含めて全員終わってたおかげで、子供達だけの裁判を開催することそれ自体には意義を感じられた気がする…この要素がなければ前編ですら最後までは観られなかったと思う
これは多分自殺であれ他殺であれ未来ある子どもが校内で死んだという事実に対して彼ら大人たちからあまりにもその人物としての奥行きが感じられなかったからかもしれない
その事実があまりにもその事実で留まっているし、そこから心を病むもりりん先生の挙動もちょっと順当すぎるというか次のフェーズに入るのが早すぎるような気もする、多分このあたりは原作読まないとしょうがないんやろうな
後篇は気が向いたらみようと思う
夕