微睡

真夜中の五分前の微睡のレビュー・感想・評価

真夜中の五分前(2014年製作の映画)
4.0
同じものに惹かれる双子姉妹の葛藤の描き方が秀逸。「人生を共有すれば2倍楽しいでしょう?」というルーメイにルオランは「人生を奪われている」と感じる。いい所ばっかり取っていくんだと。でも、気ままに見えるルーメイが幸せかというとそうは見えない。ルオランの恋人リョウに「自分の婚約者と先に出会ったのはルオランだ」と積極的に明かしたり、自分の婚約者がルオランをダンスに誘うように仕向けたり……華々しい仕事も理想の婚約者も手に入れているのに、彼女の心の隙間は埋まらない。本当に愛されているのはルオランだと感じている。ルーメイの寂しさが痛々しいほどに伝わってくる。ルオランはルーメイになりたい。ルーメイはルオランになりたい。妹に嫉妬する姉の話と見せかけて、どちらがどちらかわからなくし、結局ふたりとも葛藤してたんだねと再認識させる。おもしろかった。
ただし、ここまで行くには少女漫画みたいでゲロゲロで不自然なリョウとルオランの出会いのシーンを我慢して見続ける必要がある。そして、プールで出会った陰のあるイケメンを逆ナンできる時点で、ルオランって謙虚なふりして自分の顔に自信あるよなって思ってしまう。その女の狡さはリアル。そこまで考えられているのかはわからないけれど……
時計、ロザリオ、傷跡など、モノの使い方が巧妙!
微睡

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