なんだろうこの良い塩梅のちぐはぐ感！一筋縄ではいかないストーリーと憎い演出の数々にやや振り回されながら蓋を開けてみれば、至ってシンプルで温かな天才少年のロードムービーだった。
独特な世界観が詰め込まれていてもスピヴェットくんから焦点がぶれることはなく、ストレートに彼の気持ちが伝わってくるところが良かったなあ。(なんだかんだ等身大の10歳で可愛過ぎる)
アメリやミックマック然り、この映画の登場人物もひとりひとりが個性豊かに丁寧に描かれていて、チョイ役がチョイ役らしからぬキャラの濃さでクスッと笑わせてくれるのみならず、スピヴェットくんの背中をそっと押していく。そうしてのんびりと旅が進んでいく様子はとても微笑ましかった。
癖のある家族の平穏な日常と愛に溢れたラストシーンを見れば、”自然な笑顔で”にこにこしてる自分がいる。(蛇足:授賞式の作り笑顔のシーンで、おもひでぽろぽろの紅花畑を思い出したのはわたしだけでしょうか、印象深かった！)
