彼は荷造りが苦手みたいだけれど、必要なものだけをトランクに詰めていく行程が私は大好き
『かしこいビル』という絵本を思い出した。
女の子が大事な大事なブリキの兵隊ビルだけをトランクに詰め忘れてしまうのだ。ビルはかしこいので、線路を走って走って更に走って女の子を追いかけるというお話しだった気がする。
スピヴェットは列車でシカゴを目指す。
磁器車輪のスピーチをするために。
半永久的にぐるぐる回るあの機械が様々な意味をもたらしている様な気がしてくる。
彼はどうして、永久運動の追求、をしたのかなぁ…?
小さいけれど勇敢で心優しいスピヴェット。愛らしい彼をみんなが応援していたくなる。
憎たらしい先生には妄想で噛み付く。軽快だったなぁ…
手話も武闘もおしゃべりもなんて、小さいのに面白いなぁ。
彼自身が色々出来すぎるから、涙もそれはそれは上手で、ちょっと複雑だった。
とにかく色んなモチーフがちょっとずつ散りばれられていて図鑑をめくっている様な気持ちだった。
男の子の冒険の物語ってやっぱりどか退屈だったりするけれど、あんまりにも切なくて幸福な映画だったからお気に入りです。