R

ジョーカー・ゲームのRのネタバレレビュー・内容・結末

ジョーカー・ゲーム(2015年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2015年の邦画。

監督は「SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者」の入江悠。

あらすじ

第二次世界大戦前夜の陸軍士官学校、極刑となるはずだった青年(亀梨和也「事故物件  
怖い間取り」)は陸軍内に極秘裏に設立された諜報機関「D機関」の結城中佐(伊勢谷友介「十二単衣を着た悪魔」)に助けられる。
数々の訓練を経て諜報員となった青年は嘉藤次郎と名前を変え、新型爆弾の設計図が書かれた「ブラックノート」と呼ばれる機密文書を奪取するよう命じられる。

Netflixにて。

同名小説が原作で、どうやらアニメ化もされているものの実写化作品。

スパイものといえば、「007」シリーズをはじめ、「キングスマン」や「MIP」シリーズなど海外のイメージが強いが、本作は珍しく和製スパイもの。

で、その監督がをサイタマノラッパー」シリーズを手掛けた、当時新鋭の入江悠。多分SRシリーズがきっかけでのフックアップだと思うんだけど、いきなりのジャニーズ主演での、このスケールの作品の監督抜擢はかなり挑戦的だったのではないだろうか?

ということで、内容的にはかなり意欲的。戦前の色のない空気感は雰囲気抜群だし、登場キャラクターそれぞれの軍服姿をはじめ、一様にみんな様になっており、役者陣も実力派揃い。

そんな中で、やはり主演を務めた亀梨和也が良かった。元々、色気のある流し目がある俳優さんだなぁと思っていたけど、彼の演技で印象に残ってるのはコメディ演技よりも、感情が表に出にくいクールな役柄で、そういう意味ではスパイという職業を生業とするキャラクターは合っているのかも。白のタキシード姿もキザっぽさはあるものの、まさにスクリーンを彩る主役という感じで似合っていた。

またヒロイン、リンを演じる深田恭子(「空飛ぶタイヤ」)に関しては…まぁ色っぽい!!今38歳で公開時期からすると30代前半だろうに、劇中ではメイド姿、作業服、ライダースーツとコスプレ姿のオンパレードに挙げ句の果てには後半、拷問シーンでの舌舐めなどの体当たり演技のバイタリティに感服、いや眼福!!なんですか、これは彼女のイメージビデオですか!?

特に序盤のチャイナ服姿は二の腕ゴツすぎひん?という問題はあるがロングヘアーも相まって色気ムンムンで、こりゃ亀梨君もやられちゃうわなぁ(当時、この2人は熱愛報道があった)。

あと、関係ないけど終盤にいくにつれて、どんどん「峰不二子化」していくのが面白かった。一緒に車に乗って、逃げる最中目的を達成したからかいつの間にか消えて、次のショットではほくそ笑むってまんまやん!!今にも「じゃあね、ルパン」って言いそうだったわ。

ただ、お話部分に関しては作り手の和製スパイものを作ろうとする熱意は伝わるものの…地味。
終盤、結城中佐が諜報員たちに命じる「死は最悪の選択」の教えから、裏切った?と思わせといての騙し合いなんかはおぉ!と思わせるもの、終盤の引火の流れなんかは、いやどんな確率だよ!となるくらいラッキー要素強めな強引展開だった。

ただ、それは全然良くて、多分何がダメって、やっぱ外国人キャストのモブ感よなぁ。これは今作に限ったことじゃないけど、アジア映画って大々的に打ち出してない限り、こういう外国人キャストって重要ポジに限らず、えーとどなたですか?状態。

そりゃ、海外のスパイ映画に出てくるようなハリウッドスターは予算的に呼べないのはわかってるんだけど、足元からカメラがゆっくり上がって「ふっふっふ」と登場しても誰やねん、お前!!ってなって途端に安っぽい再現ドラマを観ている気分になる。

これだったら、なんか設定を国内だけにして、悪役も日本人キャストにした方がまだ良かったんじゃないかと思った。

うーん、個人的には普通の出来だったけど、後々の入江悠監督のメジャー作品の活躍とか観ると作った意義はある作品なのかもしれない。
R

R