長靴を吐いたネコ

ジャッジ 裁かれる判事の長靴を吐いたネコのネタバレレビュー・内容・結末

ジャッジ 裁かれる判事(2014年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

※ネタバレ全く自重していませんので、今後観る予定のある方は読まないことをお薦めします。
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【ジャッジ 裁かれる判事】 (Theatre)
2015年
総合評価 2.9 → ☆2.9

「シナリオ」 (1.0) … 2 → 2
「演出全般」 (1.2) … 3 → 3.6
「心理効果」 (1.5) … 3 → 4.5
「視覚効果」 (1.1) … 3 → 3.3
「音響効果」 (0.9) … 3 → 2.7
「教養/啓発」 (0.8) … 3 → 2.4
「俳優/声優」 (0.7) … 3 → 2.1
「独創性」 (0.8) … 3 → 2.4
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【ストーリー】
モラルの欠けた敏腕弁護士が、殺人容疑をかけられたベテラン判事である父親の弁護をする事に。
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【魅力】
・演技
・複雑な家族関係の描写
・サスペンスっぽい雰囲気

【不満】
・実はあまりサスペンスじゃない

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【少し突っ込んだ感想】
思いっきりネタバレします。

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なかなか設定は面白い。母親の死去で帰郷した主人公が、たまたま同日に死亡事故の加害者嫌疑をかけられた故郷の名判事である父親を弁護することになるが、そもそも父親が薬の副作用の記憶障害で、自分が加害者かどうかわからないと言う。しかも、親子関係がかなりよろしく無いので、父親は主人公を拒否して無能弁護士を雇ったりする。無能弁護士の存在は、コメディ要素と主人公の能力とのコントラスト要員としてかなり貴重。

アリバイが無い上に、運転時刻に事故発生、しかも車に被害者の血糊が付いてるとか、あまりにもフラグが立ちすぎてて、まず大半の視聴者は、逆に父親が無罪だと想像するのでは無いだろうか?しかし、普通~~~に父親が犯人でした(笑) というオチ。

父親も特に嘘を付いていたわけではなく、怨恨で普通に轢き殺した時の記憶が抜けてただけのようです。

「なんだかなあ…」という言葉が、個人的に最も当てはまる展開(笑)

そんな決定的瞬間の記憶がキレイに抜け落ちるものなのかどうかはおいといて、そのパターンを使ってしまうと、サスペンスとしてのレベルがグッと下がってしまう気がする。最も、これは最後まで観た上での感想なので、途中まではそんな展開とは想像もせずに、物凄い陰謀とかも想像しながら楽しめました。それは、設定の良さに依るものでしょうね。

あと、法廷ものとしては、細かい部分はキッチリ作って欲しいというのもあって、厳しい目で見ているのかも。あまり集中して見てなかったせいもあって、個人的に疑問点があるので、下記に箇条書きしておきます。わかる方がいたら教えてくらさい!



・法廷でのカミツキガメの主張の行はどういう意味が?「危険なカミツキガメに気づかずにブレーキ踏む人が居ないから、人間相手でも踏まないケースがある」ってこと??

・元カノの娘の髪を噛む仕草と、現嫁の娘の髪を噛む仕草から、自分の血縁関係を確信した主人公だけど、この髪を噛む仕草は、後天的に学ぶ機会が無かったはずなので、主人公の遺伝子がそうさせたということ??

・主人公が過去に兄貴と事故ったのはカミツキガメを踏んだから?

・最後の方の法廷シーンで、主人公が父親から、被害者から吐かれた暴言を証言させて、陪審員達の同情を引けたとこまではわかるけど、その後、更にツッコミを入れた理由は?更なる有利な証言を求めて?それとも父親としての本音を引き出したかった?前者だと結果的に逆効果で、後者だと主人公のスタンスが急にひっくり返っているので、イマイチ腑に落ちませんね。



とりあえず、終始モヤモヤした映画でした。ヒューマンドラマとしては、頑固でわからず屋な父親系が好きな人は楽しめると思います。あと、ロバートダウニージュニアのスカシた演技もなかなか良かったです。

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