根暗

フランシス・ハの根暗のレビュー・感想・評価

フランシス・ハ(2012年製作の映画)
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大人になりきれていないフランシス、見ていて痛々しい点も多々あった。けれど、彼女だけが子どもっぽいわけではない。フランシスが所謂"大人"に囲まれながら、子どもについて語っている場面でそう感じた。子どもを産んでから自分中心な人が子ども中心になったと言うけれど、子どもは"mini you"なんだという彼女の発言は的を得ている。みんな自分は何者なのかわからないうちに誰かのパートナーになり、誰かの親になる。そういう風に自ら役割を与えられにいくのが世に言う大人で、一方フランシスは何者でもないけれどただひたすらに彼女自身であり続けた。その点で彼女はより成熟していたのかもしれない。しかし社会に適応するにはそれだけでは上手くはいかない。折り合いを付け始めた彼女の表情は、とても納得しているように見えた。
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