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ダーティ・ピクチャーのtakamaruのレビュー・感想・評価

ダーティ・ピクチャー(2011年製作の映画)
4.0
〜映画に必要な3つのものは?〜
「それはねえ、エンタテインメント! エンタテインメント! エンタテインメント! そして、私がエンタテインメントよ!」という言葉を立証するようにセクシー女優として映画界をのしあがっていくシルク(ヴィディヤー・バーラン)。けれど過激さを売りにする女優に同業者や女性からの視線は厳しく、愛する母親からも距離をおかれるようになる…。何となくレトロな時代の雰囲気。スターの登場シーンや見せ場のシーンで大盛り上がりする庶民向けの映画館。シルクもかつてはそんな映画館のシートに腰掛け、スクリーンに映し出される夢の世界に純粋な憧れを抱く少女だった。しかし金と欲望の渦巻く映画業界で、女優として名声を得ることと引きかえに、自分の心が汚れてしまったことをふと自覚するシルクは、それでもそんな自分をコントロールすることができずに苦悩を深めていく。シルクを演じるヴィディヤー・バーランがとにかく圧巻。1本の映画の中で顔つきはおろか体型まで(もともとぷよぷよのお腹がぶよぶよに!)変わってしまう女優は見たことがない。人間が変化していくということの、その生々しさに圧倒されてしまう。この映画は業界の内幕と同時に、そんな彼女の女優魂そのものを見る映画だと思う。
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