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ヴィオレッタのはとのネタバレレビュー・内容・結末

ヴィオレッタ(2011年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

母と娘の物語だけれど、たった一つではないと思う。初めは母親が構ってくれて、なおかつ綺麗な洋服を着せてもらえて、しかも仕事まで手伝えるなんてヴィオレッタからしてみれば天国のような状況だった筈。それが段々と自分がどのような状況下におかれているか気づいてからの自我の目覚め方が強烈だった。娘に対してどうしたらいいか分からず、芸術を通してでしか触れ合えない母親アンナにも苦しくてたまりませんでした。芸術のためなら娘も被写体にする残酷さを持ちあわせていながら、それ以外の方法が分からない、そんな母から逃げようとするヴィオレッタが美しくて切なかったです。そして二人を見守るバアバも印象深かったです。全ての母は誰かの娘でもある。
当時の世界観の再現がとても美しかったです。実体験を通しているのと、映像や写真に対する美意識が高い監督のお陰で大変素晴らしいものでした。
また、ヴィオレッタ役のアナマリア・ヴァルトロメイがとても素敵でした。かんわいい…!幼さの隙間から妖艶さが覗いて、本当に美しかったです。お化粧なんかしなくたって最高に可愛いのに…!
原題が『My little princess』なのが何よりも強烈。
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