七星

紙の月の七星のレビュー・感想・評価

紙の月(2014年製作の映画)
3.5
一見、順風満帆に見える主婦銀行員が巨額な横領をして堕ちていく物語。

良かれと思った些細なことから綻びがうまれ、綺麗に築きあげられていたものが静かに崩れ壊れていく描写に、身の引き締まる想いを抱く。
自分を自分で正当化して、良し悪しの判断基準が乱れることで、人はとんでもないことをしでかしてしまう。

この宮沢りえさん演じる梨花に限っては、学生の頃、親の財布からお金を抜き取ったことからはじまってるような気もするが、どんだけ悪いことをしてるとは言え、愛情に飢え、頼りにしてくれる人に生き甲斐を感じ、自分を失っていく狂っていく姿が見苦しくも美しかったのはさすがでした。

大島優子さんが演じてたような、なんだかんだいいながらちゃかりしてる、容量のいい人が人生上手く渡り歩いてる。
七星

七星