ヤマラハルヒ

紙の月のヤマラハルヒのレビュー・感想・評価

紙の月(2014年製作の映画)
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主人公が若い男の子が欲しくなってしまった気持ちは、わからなくない。特別な不自然さも感じない。お金持ちを装ったのも、彼に気兼ねなく気楽に何も考えず甘えて欲しかったからかもしれないし。
が、なぜお金持ちの、ノリのいい年上の女のイメージが、ああなのかがわからない。いきなり人がギョッと振り返りそうなステレオタイプな女優ファッション。週末のスイートルーム。彼女は偽りのお金でどうにだってなりたい女の人になれるのに、あれが彼女のなりたい自分像だったのだろうか。あれが当時の若い男の子がイメージする、話のわかる年上のいい女だとおもってるんだろうか。

ドラマ版もみていて、やっぱりどうしても主人公のお金による解放が、かなり古い型どおりでリアリティにかけ、宮沢りえも(ドラマ版の)原田知代も、ぱっとしなさをだしながら綺麗でとてもよかったのに、いきなりいわゆる漫画みたいに(といってもいまどきない)デフォルメというのか誇張されてるのがよくわからない。
滑稽さととるべきだったのかな。でも、そんなふうにつきはなした演出でもなかった。

思うのは、映画版もドラマ版も、若い彼が、いくらぐーたらで口先だけのよくいる若さだけの若者だとしても、ああいった生活を手にすることを夢想してるような、それをあたえられて喜ぶような男の子にみえなかったってことなんだな。
あるいは、欲してなくても与えられたことで失い変わってしまったなにか、彼女が惹かれた若者の美しさも特にかんじなかったってこと。
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