COZY922

紙の月のCOZY922のレビュー・感想・評価

紙の月(2014年製作の映画)
3.6
人が転落するきっかけは日常の中に潜むってことでしょうか。梨花が堕ちていく過程が痛々しくて目をそむけたくなりましたが、映画としてはおもしろかったです。宮沢りえが、取り憑かれたように悪事に手を染めていく梨花になりきっていました。小林聡美の、感情を表に出さず何事も見透かすような表情もいかにもベテラン行員という感じで良かったです。残念なのは、梨花が自分よりかなり年下の男に走るまでの心情描写がかなり薄くて雑なこと。大して言葉を交わした訳でも強引に迫られた訳でもなく、さほど魅力的とは思えない男にああいう形でおちるのはかなりの違和感、唐突感。へっ?いきなりこうなっちゃうわけ⁈ となりました。せめてそれなりの心情描写が欲しかった。最後の場面も納得感がなく正直蛇足だと思いました。走るシーンで終わらせるなり何なり、別のラストのほうが良かったなあ。音楽は効果的でやたら耳に残ります。
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