パシ

濡れた欲情 ひらけ!チューリップのパシのレビュー・感想・評価

5.0
怪作にして傑作。ギャグ漫画的な登場人物とテンションの高いシーンの連続で、その各シーンがいちいち突き刺さる。
釘師とパチプロの2人が質屋にむかうシーケンス。冒頭、傘を差し、自転車で橋を渡る男が、その隣の橋をリアカーを引いて渡るパチプロにいつの間にか追いつき、それが釘師と判る流れが美しい。その後、2人は揉めるが、殴られた釘師のアクションが凄く車道に飛び出してしまう(直後に車が脇を抜ける)。釘師をリアカーに載せてガッタンガッタンするシーンも危険を感じる。
パチプロとその師匠が屋台を挟んで会話するシーン、左右に車の光の流れが映るが、それが不自然で美しい。合成か?
屋台を引いて西成の街をさすらうシーン。手ブレが凄く見てると酔うが、不毛な会話を大声でかわしながら全力で走り回り最後に川に飛び込む。
天王寺動物園の赤電話から連絡するシーン、赤字での「ゴリラを殺さないで」、ハイエナとシンクロしてウロウロ動くパチプロの男。
物干し場で男2人の肩を抱く芹明香。パチ屋の入口で仁義を切る芹明香。
どれもこれも最高だった。
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