満員札止め、補助椅子+階段には座布団、ここまで満員なのは侯孝賢「悲情城市」以来の経験
とても面白い、そして切ない、被写体の女性にはそれぞれの人生があり、何らかの必然性で劇中に登場する
確かに彼女達は時には滑稽に見えるし、観客の我々も大爆笑してしまう、しかし冷静になった時に画面上には見えない物を感じて切なくなる
演者はそんな事には億尾も見せずにただ只管レースを行う
それでいいんだと思う
1位になる為に、ボールガールとのウイニングFUCKをヤる為だけにみんなルールに則りひたすら走り、食い、そしてヤる
画面のこっちの観客はそれを見て驚嘆し、爆笑し、同情し、限られた時間を満喫する
会場は独身最後のバチェラーパーティーの様だし、修学旅行の夜の宿の様でもある
正直、AV再編集してみんなで楽しみを共有出来るなんて嘘だろ?って思っていたけど、あんなに爆笑しながら見られるとは思わなかった
カンパニー松尾監督の作品は「私を女優にして下さい」シリーズが大好きで、90年代から飛び飛びではあるが追いかけている
こんな長期間同時代の映像作家の作品を見てはいないので、ある部分での私にとって唯一無二の存在だ
その松尾氏が劇中で見せた姿に私は時代を感じたし、アフタートークショーで語られていた”あの松尾さんが!”という思いも共有出来たので非常に感慨深い作品となった
これで一区切りになんてならないと思うけど…
これからもあっちが元気な内はヌケて面白くて何かが残るAVを撮って欲しいし、たまにはこんな劇場版作品も作って居ただければ嬉しい限り
ホントに有意義な2時間だった
松尾氏、山下氏、他の演者の皆様方、お疲れ様でした