けんたろう

奪還者のけんたろうのレビュー・感想・評価

奪還者(2014年製作の映画)
4.5
意外と評価が低くてちょっとびっくりしましたが、「乾いた暴力映画大好き人間」の私にとっては大傑作です。暴力描写ひとつひとつに心臓ばくばく。北野武の初期作品なんかを連想させる怖ーい暴力。初見時では衝撃のラストに呆然となり、2回目では冒頭から主人公の行動原理が分かってしまうがために悲しくて悲しくてしようがなかった。なので2回観ることをお勧めします。
予告で『マッドマックス』の言葉が一人歩きしてしまっているのが残念。確かにマッドマックス(1作目)と地続きとも言えるストーリーですが、監督は撮影中に意識したことはない、と言い切っている。『マッドマックス』とは全く別のベクトルを向いた終末映画の傑作と言えるだろう。タランティーノが評価したのもそこなのではないだろうか。
音楽の使い方も新鮮。前半はポストロックやニカ系のアンビエントな音楽を多用し、後半でいきなりポップな曲をぶっ込んできたりして、つねに何処か不穏で暴力的。
撮影もひたすら美しい。と思って撮影監督を調べたら女優顔負けな超美人なお姉さん!次回作はニコラス・ウィンディング・レフン監督の『The Neon Demon』ということで、今後の活躍がますます期待できる。ナターシャ・ブライエ、要チェックや!
演技の応酬も素晴らしい。特にロバート・パティンソンはすげえ!舌足らずで頭弱そうで純粋で悪ぶってる感じがたまらん!ブレイキング・バッドのジェシーを連想した。

とにかく恐ろしく美しく愛おしい映画だ!大好き!
けんたろう

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