ねひつじ

世界の果ての通学路のねひつじのレビュー・感想・評価

世界の果ての通学路(2012年製作の映画)
5.0
たまたまテレビで見始めてしまったドキュメンタリー映画「世界の果ての通学路」

道なき道を何時間もかけ、命懸けで学校を目指す。象に襲われそうになりながらサバンナを2時間駆け抜ける兄妹。アルゼンチンでは道なき荒野を、妹を後ろに乗せて馬で登校。山奥に住む女の子は毎週4時間かけて学校まで歩く。友達とが怪我をして歩けなくなったらヒッチハイクまでする。知らない大人の車に乗せてもらうなんて危ない….!と日本にいるわたしはそんなことを思う。
インドでは、手足が不自由な兄をおんぼろ車椅子(お手製)に乗せて2人の弟が学校まで押していく。川も車椅子でなんとか渡る。車輪は錆びて、タイヤは外れ、それでも押していく。弟は苛立ったりしないの…?と私はつい心配になるが、学校に着く直前、弟は兄の顔をきれいに整え、嬉しそうに抱きしめる。学校に着くと同級生たちが沢山駆け寄ってきて兄を教室まで連れて行く。

みんな夢があって、そのために勉強がしたくてたまらない様子。インドの少年は「将来は医者になって、自分のような病気の人を助けるんだ。それがゴールって決めているんだ」とはっきりと話す。
貧乏な自分が学校に行けるのは恵まれている、と10歳くらいの子が言う。
夢を語る姿、教室で学ぶその真っ直ぐな眼差し、ほんとうに心を打たれた。
世界は広い。
そこが「世界の果て」かどうかなんて、わたしたちが決められることじゃない。
世界には果ても中心もない。
みんなで回していくんだなあ。
あの子たちが、命懸けで学校に通い、勉強して、夢を叶えて、そして世界が回っていく。
その中でわたしたちも生きていける。感謝しないと。
なんとなく、そんな感想。
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