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ショート・タームのAoのレビュー・感想・評価

ショート・ターム(2013年製作の映画)
3.7
題材は重く、見ていて辛かった。
この主人公が子供達ではなく、グレイスなのがこの映画のみそだった。

施設の子供達の心の動きと、施設を出て生活をしている人の心の動きが同時に描かれているなんて驚いた。大抵どっちかだからね。家庭環境は大人になっても影響し続ける。グレイスのように。グレイスは自分の子供をきちんと育てられるか自信がなかったから、堕ろすという選択肢をなかなか捨てなかった。一応ジェイデンの「いい母親になるよ」という言葉に救われて、なんとか乗り越えたけど、父親の事は一生乗り越えられない運命だろう。


この映画は、かなりリアルに描かれている。グレイスの子供達への思いは必要だと思う。しかし、所長の言っていることもよくわかる。当事者の口から言わないとどうにもできないのが事実だからね。
不法侵入は良くないものの、グレイスのジェイデンへのアプローチは良かったと思う。辛いけど言わないと何も始まらない。

マーカスのラップは泣きそうだった。ラップは暴力や喧嘩を避けるために始まったもので、自分の意見や思いをビートに乗せる。どこにぶつけていいか分からないマーカスはラップという手段で自分を表現したのだろう。いい方向に向かっているようで良かった。
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