RandB

パズルのRandBのレビュー・感想・評価

パズル(2013年製作の映画)
3.5
『許された子どもたち』の公開で内藤監督作品が気になったので、鑑賞。

とある高校で起きた悪趣味なゲームによる凄惨な婦女暴行事件。
病院から町へと飛び火し、繰り返される暴力の連鎖には、隠された"ある真実"があった……。

未だかつてないほどに死んだ目をしている夏帆、ひたすらに不気味すぎる野村周平、その他もろもろ、過激な部分が多すぎて、とりあえずヤバイ一作。

人間の内面にある圧倒的なまでのエグみ、怒りが引き起こす容赦なきバイオレンス、様々な部分において、これまでの内藤監督作品の厭~な部分が凝縮された悪夢のような作品でした。

とはいえ、さすが『リアル鬼ごっこ』の山田悠介原作作品というだけあって、先が気になるストーリー展開はスゴい。

低俗で浅ましい展開でありながらも、『SAW』や『ファニーゲーム』を意識した不快な演出も多く、単なる低予算グロ邦画では、もったいない監督の気概が見えました。

また、監督の作品として、過去作と繋がる要素が多く見られたのも興味深い点。

大人vs子供の構図、打ち込みのオリジナル楽曲、学生たちが主軸の物語といった十八番的な部分はもちろん、
『先生を流産させる会』に共通する「妊婦への暴力」、
のちの『ライチ☆光クラブ』を彷彿とさせる「工業地帯の風景」、
最新作『許された子どもたち』における「マスコミの偏った報道」、「悪質な事情聴取」、「ネットでの犯罪者特定」など、様々な部分で他作品を想起させる部分が多かったのが良かったです。

というわけで、かなり好き嫌いは別れるものの、監督作品としては見所の多い本作。
時間を交錯させる独特な手法や、「生きること」への真理ともいえる残酷なメッセージなどなど、注目してほしいところは多々ありますが、
監督に興味のない方々には、ぜひ、若き日の馬場ふみかさんに注目して観ていただきたい一作です。(←〆の雑さ。笑)

<<エログロおバカメーター>>
エロ ☆×3.0
グロ ☆×4.5
バカ ☆×4.5

・エロポイント
「夏帆、マジで何やってんの?」と突っ込みたくなる一作ではありました。
無駄に体当たり演技ですし、多分、本作の出演がドラマ『みんな!エスパーだよ!』のエロいヤンキー女子高生役に繋がったのだと思うと、何か、複雑な気持ちが……。汗
(『映画みんな!エスパーだよ!』では、夏帆はヤンキー女子高生役を降板している。)

・グロポイント
過去作史上、最もグロい残酷描写には驚き。
ナイフを刺すのは序の口で、指チョンパから肉体破壊まで、グロいよりも"痛い"を強調した描写の数々には、普通に体調を悪くしそうになりました。
RandB

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