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複製された男のtthkのネタバレレビュー・内容・結末

複製された男(2013年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

冒頭の秘密組織がクローン人間を生み出すSFものかと思ったら全然違った。

初見じゃ全然わからず、いろんな考察記事を読んでからまた見てみたけどなかなかわからず。

ヘレンとアンソニーが元々実在
アダムはアンソニーの中にできた人格
メアリーはアダムの中の妄想
と考えてみると、

・ヘレンが俳優のアンソニーと出会う。
・ヘレンが俳優のアンソニーの子どもを妊娠する。
・ヘレンの妊娠を機にアンソニーは俳優を辞めて定職(大学講師)に就く(妊娠期間と事務所に顔出すのが半年ぶりというのが一致するので)。
・しかし、アンソニーは女遊びはやめられない(ヘレンに「あの女とまた会ってるの?」と咎められていたから)
・秘密クラブにも出入りする。
・退屈な大学講師生活におかしくなる(アダムの人格出現。退屈な生活は別人格に押し付けないとやってられない。アダム・ベルの大学講師はネットに情報があったので実在していてそこから名前を取っている?)
・退屈な生活を押し付けられてるアダム人格は不意に見た映画で自分にそっくりなアンソニーを見つける。
・アダムとしてアンソニーの情報を調べて電話をするとヘレンが出る。
・アンソニーとして自宅に帰り、ヘレンの前でアダムから電話がかかってきたフリをする(アダムが普通に電話してるのにヘレンが着信見るとunknown callerになってたのは実際にはかかってきてないから?)
・ヘレンがアンソニーのメモからアダムを探って大学へ行くとアダム人格のアンソニーに遭遇。アダムはヘレンがわからないから他人として対応し、ヘレンはアンソニーの態度に疑念を感じる(ヘレンがアンソニーに電話してアンソニーが出た時にはアダムはヘレンの視界から消えているのでアンソニー=アダムは成立する)
・自宅でヘレンがアンソニーにアダムに会ったことを話して「とぼけないで」と言うのも自然な反応に見える。
・アダムとアンソニーがホテルで会い、アンソニーがメアリーを尾行し、アンソニーがアダムにメアリーを寝取らせるのを強要するのは全て意識の中での出来事(アダムがアンソニーの実生活へ入ってくる=アダムが主人格に侵食してくる?)
・ある日ヘレンがプールから帰ってくるとアダム人格のままのアンソニーが。
・普段と様子が違うように感じ注意深く観察し、別の人格だと確信するがそれでいいと思っている(「今日の学校は?」はヘレンはアンソニーが大学講師をやっていることは認識しているので視聴者へのミスリード?)
・アンソニーがメアリーに「指輪の跡」で拒否られるのは結婚してて自由が無くなってるのを暗喩(アダムにも指輪の跡はあるはずなので元々メアリー自体は存在せず、アダムにとっては妄想、アンソニーにとっては願望?)
・アダムからするとメアリーは実在し、アンソニーに寝取らせた罪悪感で涙。
・ヘレンは涙するアダムを慰める。ヘレンはアンソニーではなくアダムだとわかっているけど、女遊びがやめられないアンソニーに愛想を尽かしていたので見た目は同じだけど誠実そうに見えるアダムに乗り換えでOK。
・妄想の中でアンソニーとメアリーは事故で死亡。それによってアンソニーの人格が消滅して、アダムが主人格に繰り上げ。アンソニーの生活を引き継ぐ。
・翌朝、秘密クラブの鍵を手にしてアダムにも女遊び願望が(アンソニー人格が消滅したことでアンソニーの請け負っていた傲慢さや女遊びしたい性格がアダム人格に僅かに入ってきつつある?)
・夜出かけることを伝えられたヘレンはアダムに対して疑念を向け、それを感じたアダムにはヘレンが自分を支配しようとする女性=蜘蛛に見えて溜息。

みたいな話なのかなと解釈できたけど、母親とのやりとりだけしっくりこない。
アンソニーの冷蔵庫に母親が薦めるブルーベリーがあったことから母親自体は実在していると思うけど、冒頭のアダムと呼びかけながら話す電話などは妄想?

いずれにしても、そんなに動きがない映画だけどジェイク・ギレンホールの顔面力で画面が持つし、サラ・ガドンが美しさの最高峰に見える瞬間が何度もあって、好き。
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