MikiMickle

複製された男のMikiMickleのレビュー・感想・評価

複製された男(2013年製作の映画)
3.8
原題『ENEMY』

大学で教鞭を振るうアダムは、友人にすすめられた映画を何気なく見たところ、自分と瓜二つの男が脇役で出演しているのを発見する。
とりつかれたようにその彼を探し、ついに
アンソニーと言う名前の売れない役者であることを突き止める。

会いたい欲望を抑えられずに対面したアダムとアンソニーは、生年月日もなにもかも同じ… お腹に出来た傷さえも………!!

この二人の対面は、アダムの美しい彼女と、アンソニーの妊娠6か月の妻も巻き込んでいく………


というストーリーですが、難解!!
デヴィット・リンチ的丸投げ!!

ラストで「はぁっ??」ってなるんだけど、次の瞬間に私の脳がプルプル~~となり、解明したい願望に一気に支配されました。
でもって、間違いかもだし、そもそも正解すらないのかもしれないけど、なんか意味がわかった気がして大興奮しました。真夜中に。
あくまで「私なりの」。見る人によって解釈は違うだろうし、評価もわかれると思う。
そんな映画。


アダムとアンソニーの両役を演じるジェイク・ギレンホールの、切迫感・緊張感に溢れる演技が素晴らしく、引き込まれてしまう。

全体の空気感も退廃的で、黄色っぽい町なみが次に何がおこるかわからない感じとうまくマッチしている。映像が良い。

原作はノーベル文学賞作家ジョゼ・サラマーゴ

監督はドゥニ・ヴィルヌーブ
プリズナーズでも思ったけど、ラストが巧い監督だなぁ。

シナプスビリビリ映画でした♪
面白かった♪
語りたくなる。


「カオスとは未解読の秩序である」







最初のアダムの講義の内容で、ヘーゲルの「大事な事は二度起きる」、マルクスの「初回は悲劇だが、二度目は笑劇だ」「今は前世紀の繰り返しだ」っていう事が伏線になってる。
あと、「支配には二通り。娯楽を与えるのと、教育を抑える方法」という支配についての講義。

破られた写真。後に出てくる破られる前の写真。

指輪のあと。

お腹の傷。

ブルーベリー。

妊娠6か月と、アンソニーが事務所に行かなかった6か月間の一致。

秘密クラブの鍵。

原題『enemy』

そして、蜘蛛という存在。
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