MitsuhiroTani

複製された男のMitsuhiroTaniのネタバレレビュー・内容・結末

複製された男(2013年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

鑑賞前に、SFチックな話ではないことを聞かされた私は、映画の解釈に没頭してしまった。残念。
抑圧された男の妄想か、解離性同一性障害か。主人公が、自らの潜在的欲望を具現化する別人格の存在を知り、これと交わり、これ否定することで、共存が困難となり、最終的に消滅する話。映画俳優としての実態がある以上、別人格のアンソニーは実在したと考えられ、私は解離性同一性障害と結論づけた。
交通事故は、アンソニーが妻子持ちと知った気位高い恋人メアリーが、一人で起こしたものだろうが、アダムの中では、アンソニー消滅の機会として解釈されたのだろう。
蜘蛛の幻想は束縛の、有機栽培ブルーベリーは抑圧の象徴。
ラスト。アダムは冷蔵庫のブルーベリーや、母親に連絡をするよう勧める妻に束縛の予兆を感じ、別人格アンソニーに繋がる秘密の鍵によって、消滅したはずのアンソニーが生まれ、妻が新たな束縛の象徴に見えたのだろう。
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