塩野ダイ

アメリカン・スリープオーバーの塩野ダイのレビュー・感想・評価

4.0
新感覚ホラー『イット・フォローズ』で注目を集めた、デヴィッド・ロバート・ミッチェル監督のデビュー作。本作はホラーではなく、真っ当なティーンによる青春映画だ。

夏の終わりに開かれる恒例の催しスリープオーバー:お泊まり会はハロウィンみたいに一斉に街全体で開かれる。来年高校に上がる中学生から高校・大学の新入生までのティーンがこぞってワクワク&ソワソワする日だ。
男は男だけでダラ〜と友達の家に集まり、女は女はだけで集まりガールズトーク、上級生は男女混合のパーティー状態。
お酒を飲むのがこの年代だと大人っぽくてクール!やらた色めき立つ一夜をどう過ごすかは自分次第。

男との思い出を作りたいマギーとベルの2人組、スーパーで一目惚れをした女の子を捜し回るロブ、彼氏の元カノの家に泊まりに行くクラウディア、昔美人の双子に好意を持たれた事を知り会いに行こうの決意するスコット。
大まかにこの4つのソワソワとした物語を一夜に絡めて魅せていく。クスッとさせるユーモアに、登場人物はかなり多いもののちゃんと整理出来ていて、ティーン特有な機微も上手い。監督はホラーより断然こっちの方が得意なんだろうな。

長いようで短いお泊まり会の一夜が『夏』という季節そのものを上手く表しているのが良いなと。
異文化の行事を堪能し、やっぱ外国の子はマセてるなぁと思うもどこか羨ましく、こんなドキドキはもう味わえないんだろうなと切なくもなった。
塩野ダイ

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