KY

アメリカン・スリープオーバーのKYのレビュー・感想・評価

4.4
デヴィッド・ロバート・ミッチェル監督作。

デトロイトの郊外を舞台に、夏休み最後の一週間の「Sleep Over(お泊まり会)」を通してそれぞれの青春を追いかける思春期の少年少女たちが、精神的に成熟していく過程をみずみずしく描く。

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ホラー映画『IT FOLLOWS』の監督のデビュー作。多くの少年少女を主人公に「気になる異性と何かあるかもしれない」とお泊まり会の一夜を徘徊する姿がまさに青春。

この手のストーリーでは往々として「好き」という感情がはっきりしすぎていたり、逆に処女童貞によるセックスへの好奇心のみで動くストーリーになりがちだ。

しかし今作が面白いのは彼らの気持ちの曖昧さ。好きなのか、キスしたいのか分からないが何かに期待して気になる異性を探しているという点だ。これこそが青春。曖昧な気持ちと期待こそが青春を彩る。

そしてそれは一夜の出来事で朝が必ずやってくる。まるでクラブでの一夜の様。というか、むしろこの感じを期待して世の男女はクラブに行くのではないかとすら思った。

今作ではクラブの様に音楽がその青春を鮮やかに染める。全編青春を謳歌する高校生たちの背景にロックンロールが流れている。曲も粒ぞろい。サントラ欲しい。

高校時代、学期末になると飲み会があって公園でクラスの男女が集まったのが懐かしい。ただ高校時代の自分はそんな「気になる異性」うんぬんよりもとにかく「お酒を飲む楽しさ」が先行していた気がする。。

青春時代の恋愛の甘酸っぱさも味わいたいけど、お酒を飲む楽しさを知りたての頃のあの酒を飲むという行為がめっちゃ楽しいあの感じもまた味わいたい。全くと本作と関係ないが。
KY

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