人生に寄り添う服を作る喜び。ファストファッション全盛の現代には相容れない価値観かもしれない。でもこの映画を観たら、そういうのもいいな、と思えてくる。そういう意味では良い作品。
二代目ながら仕立屋として一流の腕を持つ市江が、オリジナルの服作りを頑なに拒絶する心理が腑に落ちない。ブランド化を断るのは分かるんだけども。
「夜会」の存在も謎。あそこだけ浮世離れしちゃってるから、全体の説得力が弱まっている印象。結局ああいう服作りって、現代ではファンタジーなのかなって。
それとラストの黒木華はすごく綺麗でした。リップヴァンウィンクルの花嫁にも負けず劣らず。
エンディングの平井堅は温かくて良かったです。