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繕い裁つ人のtoyocaのレビュー・感想・評価

繕い裁つ人(2015年製作の映画)
2.5
あまりこの手の邦画は観ないのだけど、予告編で流れる、平井堅の「切手のないおくりもの」が素敵で、好きな曲だったから気になってて。huluでサクッと観れるなら、と鑑賞。

観た直後は、正直、何も感想がなかった。ふーん、という感じ。振り返ってみて、もう一度考えてみようとふと思ったので、改めてレビュー。

観た時に、何か違和感を感じていたのだけれども、多分それは、主人公の市江さんと、その街に住む人々のファッションが、完全に浮いているということ。街に、ハマっていない。素敵な坂があったり、神戸の街並みが少し見えたりしたけれども、やはり現代的な、ただの住宅街。しかも、庶民的。服にこだわるのに、街にフィットしない服は、ただのコスプレでしかない。夜会は素敵だけれども、コスプレを楽しむ大人達にしか見えない。そして、あまり手間暇かけた素晴らしい一着にも、みえない。

また、バイヤーの藤井の妹が、面識がないのに街で市江を見かけて、服が素敵だからもしかして市江か?と声をかけるシーンがあるが、ありえない。美人なのに年齢の割に、老けたファッションをした違和感から、なら分かるけれども。

服などの小物も含め、映画の作り込みがあまくて、全体的に薄っぺらく安っぽく、未読だが、原作の漫画を表面だけさらっとなぞったような、日本の映画にありがちなドラマの延長映画だった。
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