長尺なのに飽きさせない演出は三池監督だからこそ。幹部連中が梓の絶縁処分の話をしている時の中華料理のテーブルと同時にくるくる回る撮影方法が面白い。 ストーリーは任侠ものと実録ものが合わさったような昭和の匂いが残る感じで白スーツ姿の加藤雅也がひたすらかっこよく、対する黒ジャケット姿の藤竜也がひたすら渋く、アルコール＆コカイン中毒のすっとぼけた石橋蓮司が可笑しく、梓と同じ施設で育ち元極道で現役ホストの現代風でチャラい北村一輝の怪しい眼差しが良い。 殺された親分のために体を張って復讐を遂げるファンタジー溢れる梓と、兄貴は狂ってるよって言う現実味がある水谷のコンビがバランス取れてる。 普通のセックスでは飽き足らず勢い付いてオナニーまで披露した北村一輝と「普通に死なせてくれ」と懇願した遠藤憲一が個人的にツボだった。 公安の松方弘樹がどうも胡散臭いなと思ってたら案の定その通りだった。黒幕の政治家とフィクサーと大所帯ヤクザの親分という自分達に都合の悪い人物を殺させて最後は闇に消し去るという非常に汚い役回りの警察に武智鎮典の想いが伝わる。 親分と梓の絆がもうちょっと深く描かれてたらもっと良くなったかな。
