ラサ

ゲッタウェイのラサのレビュー・感想・評価

ゲッタウェイ(1972年製作の映画)
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冒頭、機械(的に動く囚人)を執拗に映すショットが続いていて、刑務所の中で人間が人間でなくなるということが、ドクの口から聞く前に目で見て分かる。出所後妻と訪れた公園の川を見て入る前から2人で戯れる様子を想像してるシーンがとてもよかった。その公園で遊ぶ子供や大人たちはみな無軌道で無邪気に機械的なものからは、程遠く生きていた。
『ガルシアの首』の過去の男の存在が、男と女の関係を不安定にさせるつくりがここにもあるけれど、マッコイ夫妻にとってのメキシコはベニー&エリータにとってのそれとは異なったパラダイスだろう。キャロルのヘマ(ロッカー泥棒)で追い詰められて行くドクが楽しい。
ドクを裏切ったルディのシークエンスが良い。首を吊った旦那には同情を禁じ得ない……。
ラサ

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