エリ

正しく忘れるのエリのレビュー・感想・評価

正しく忘れる(2011年製作の映画)
3.3
ある日父が自殺し、春子の家族は父の苦しみに気づかなかったことを悔やむ。それから5年、だんだんと父のことを忘れていく家族に春子は苛立ち家を出て、父のことを忘れないように日々を過ごす。この映画は「忘却」がテーマになっていて、考えさせられる。人間は生きていくために、自然と忘れていく。記憶は残っても、そのとき感じたリアルな感情は薄れる。たとえどんなに辛いことが起こっても。それは本能というか、もともと人間に備わった能力なんだろう。そしてこの抗えない事実を、受け入れてまた生きていく。春子がもがいてる感じをみて、過去の辛いことがいろいろ蘇ってきて観たあとはどーんとなった。それでもそれを経験した当時よりは「忘れて」いるから、冷静に振りかえることができるんだろう。忘れることを受け入れるとは、強く生きていくこととイコールになる。辛いことがあっときにこの映画を思い出すんだろうなぁ。
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