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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密のryodoのレビュー・感想・評価

4.9
チューリングもベネ様も偉大。

第二次大戦中に暗号解読で活躍した数学者アラン・チューリングのお話⌨

ベネ様作品の中ではドクター・ストレンジの次に有名?だけど見れてなかったやつ。
アラン・チューリングの天才かつ異端っぷりをベネ様が見事に演じていたと思う✨

戦争✕暗号解読について描いた映画って他にもある気がするけど、本作は第二次世界大戦、特に対独欧州戦の見方を一転するほど衝撃な内容だった👀

暗号を解読するまでの過程のドキドキワクワク感は純粋に見ていて楽しかった。
一匹狼な主人公がヒロインや仲間と打ち解けていく感じがよき🥹
キーラ・ナイトレイが美しいことよ…

しかし、解読達成めでたしで終わらないのが本作の肝。




※以下ネタバレ悪しからず※
 



解読してもすぐに作戦に移せない理由が…そのため今救う少数の命と今後の多大な犠牲を天秤にかけて少しずつ優勢に…まさに戦争の無慈悲な駆け引き😣

しかしエニグマ解読によって1400万人が救われ、戦争が2年短くなったというから凄い…いやWWⅡがあと2年続いてたらと思うと凄いどころじゃないわ💦
さらに一説によると、太平洋戦争のターニングポイントであるミッドウェー海戦で日本が敗北した理由として暗号がアメリカに筒抜けだったことが有名だけど、実はコレもチューリングが手伝ったからというから凄い。
逆に言えば、
極論チューリングの頭脳がなかったらドイツがヨーロッパを打ち負かし、日本が太平洋を支配する別の未来があったかもしれないのが怖い。

この類を見ない功績が当時から公開されていたらチューリングたちはどれほど報われていたことか…エニグマ解読は機密事項とされ、チューリングは見合う栄誉も与えられず、さらに当時犯罪だった同性愛を理由に逮捕、ホルモン投与で心身が侵され、服毒自殺。
というか、ホルモン投与による化学的去勢って何よ…イギリスが当時そんな同性愛矯正を行っていたとは知らなかった😣
機密公開までの50年間、偉人どころか性犯罪者と認識されていたなんて。

彼ほど報われない偉人を他に知らない…。

でもその功績が公開され、正式に女王から栄誉を与えられ、ベネ様主演で伝記映画化され、LGBTもある程度受け入れられ、2021年から50ポンド紙幣の肖像に選ばれた今、彼はやっと報われたのかな…😭
50ポンド紙幣を記念に持っときたい(笑)


そして70年経った今も原理自体は変わらないスマホにも通ずるノイマン型(プログラム内蔵型)コンピューターの発明、その実現自体はジョン・フォン・ノイマンだが、チューリングマシンが原型というのだからまさに“コンピューターの父”という呼称に相応しい✨コンピューター界のノーベル賞である“チューリング賞”も有名。
その上、まだAI(人工知能)という言葉さえない時代に知的な機械(チューリング・テスト)について論文を書いているというから…偉大すぎてもはや怖い。
(↑この辺が映画で描かれてないのが残念💦)

ゆえに、41歳という若さでこの不世出の天才を失ったのは人類史において大きな損失だったと思うな…彼があと10年20年生きていたらコンピューター特にAI分野の発展は今以上だったろうに。


"Sometimes it's the very people who no one imagines anything of who do the things no one can imagine”
─時として誰も想像しないような人物が想像できない偉業を成し遂げる─


映画は勿論だけど、アラン・チューリングの偉大さに感銘を受けたので高評価✨
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