COZY922

ビッグ・アイズのCOZY922のレビュー・感想・評価

ビッグ・アイズ(2014年製作の映画)
3.7
アート界のスキャンダラスな事件の1つ、画家マーガレット・キーンと夫ウォルターのお話です。役者の力演が光る映画でした。エイミー・アダムスの演技も良かったけれど、個人的にはクリストフ・ヴァルツの演技が役にハマっているなと思いました。劇中、だんだんとおかしくなる(本性を現してくる)姿や、罪悪感に乏しくちょっとサイコパスっぽい振る舞い、口八丁なところなど、実際にこんな人が近くにいたら間違いなくコイツ嫌なヤツだと思わせる(笑)リアリティある演技でした。ウォルターのしたことはひどいと思うし、アーティストとしての気持ちを踏みにじられたマーガレットの心情は察するに余りあるけれど、その一方で、彼の商才があったからこそマーガレットの成功もあったのだろうとも思います。

サンフランシスコやハワイの風景、2人が暮らす家のインテリアなど、なんでもないシーンまでティム・バートン監督らしく色彩が綺麗。ただ、”らしさ” を感じたのはそこだけ。実話なので表現の制約があったのかもしれませんが、映画としてはパンチがないと言うかおとなしいと言うか、特に後半の心情描写が浅めであっさりしていたのと、演出がいたって普通なせいか、ちょっと物足りなさを感じました。実話ということを踏まえつつも、もうちょっと冒険しても良かったのかもしれません。
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