THamada

砂上の法廷のTHamadaのレビュー・感想・評価

砂上の法廷(2015年製作の映画)
4.1
94分、私は騙され続けた。

パッケージの像は正義の女神像で、右手の剣は法の持つ力、左手の秤は正義、目隠しは公平性を表わしているらしい。主演のキアヌリーブスを差し置いてパッケージのセンターに来ているが、それだけの事はある。
なぜなら、本作のメインテーマは正義の脆さだから。

本作は裁判モノであるが、登場する証人も、被告人も、誰も彼も嘘を放ち、自己保身のために正義を捻じ曲げる。この正義の捻じれが事件を全っく別の事件にすり替え、まさに砂(嘘)を積み上げた法廷となる。ラスト、この砂上の法廷が崩れる様はドミノ倒しをしたかのように気持ちいい。
簡単に言えばドンデン返しだけど、よく出来てる。騙された。

同じ裁判×ドンデン返しモノの「真実の行方」にはインパクトや緊迫感など全体的に劣るが、しっかり主張のある作品だと感じた。
また、何気にセリフがカッコいいのもポイント。
THamada

THamada