森泉涼一

ダウト・ゲームの森泉涼一のレビュー・感想・評価

ダウト・ゲーム(2014年製作の映画)
2.7
ドミニク・クーパーとサミュエル・L・ジャクソン共演のクライム・サスペンス。これだけで胸躍るファンは多いはずだが、何故DVDスルーなのかという謎は監督の描写にある。
地方検事のミッチ(ドミニク・クーパー)が飲酒運転でひき逃げを起こす。証拠隠滅や検事の力を駆使し様々な手で罪を逃れようとし、後に別の容疑者が浮かび上がる。そこから事件は思わぬ方向へ進んでいく。
検事という立場で罪を逃れようとするサスペンス劇。犯人が判明しているにも関わらず別の容疑者が現れ・・・と脚本は興味深い。思わぬ方向へ進んでいく展開からどうしてもそこに注力しがちだが、振り返ると飲酒運転という事の発端を同情目線で描きすぎているという引け目も感じる。ミッチのひき逃げは故意ではなくむしろ自ら救急車を呼んでいる。ここがポイントであり、もう一人の容疑者が現れその男の背後に闇があると判明した瞬間から彼の事故はないことになっている、もしくは同情で薄れている。ただ、彼が事故を起こしたのは事実であり、そこを疎かにすることは映画自体の根本が緩んでいる証拠にもなる。
森泉涼一

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