YokoGoto

クロエの祈りのYokoGotoのレビュー・感想・評価

クロエの祈り(2012年製作の映画)
3.7
社会派映画の持つ偉大な力を存分に示した作品だった。日本未公開、ソフト化もされてない本作。ずいぶん前にWOWOW放送を録画していたものを観た。とても考えさせられる社会派映画で、とても良かった。日本未公開なんて残念すぎる。

イスラエルとパレスチナを往復するカナダ人女医 クロエの葛藤を描いた作品。出口のない戦争。でもそこに息づく人達。命を救う医師という職業でありながらも誰も救えない虚しさと無力さが、ヒシヒシと伝わってくる。

人道支援で良いことをしていても所詮部外者。
何も変えられず何も救う事ができない。その様を、あからさまに描写されていて痛い。

戦争はいけない。戦争はしたくない。
そう叫んだところで、この泥沼の戦争状態は決着がつかない。
戦争をしたくない、なんて誰もが思っていること。なのに、終わらない闘いは、この平和な現代でもおきているんだということを突きつけられる映画だ。

以前、同じ、イスラエルとパレスチナを舞台にした「2人の息子」という映画を見たことがあるが、あの映画を観て、この紛争に関心をもった。同じように、こういう映画で、イスラエルやパレスチナ問題に関心を寄せるきっかけになるはずだ。それこそ、映画のもつ大きな力だと思う。

何箇所か説明不足のところが、あったが、まぁまぁ、スルーしても大丈夫。(笑)
YokoGoto

YokoGoto