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女神は二度微笑むのtakamaruのレビュー・感想・評価

女神は二度微笑む(2012年製作の映画)
4.4
行方不明の夫を捜しにロンドンからコルカタに大きなお腹を抱えてやってきた女性ヴィディヤー(ヴィディヤー・バーラン)。警察に捜索を依頼したり、夫が泊まっていたはずの宿に聞き込みに行くが、まるで手がかりが見つからない。代わりにいたるところで名を耳にするのが「ミラン・ダムジー」という男。ヴィディヤーは親切な警察官ラナ(パランブラタ・チャットーパーディヤーイ)の助けを借りて捜索を続けるが、二人が関係した人間が次々と何物かによって殺されていく。「ミラン・ダムジー」とは果たして何物なのか?…。緊張感あふれる極上のスリラーにしてサスペンス。主役のヴィディヤー・バーランの演技にも、シナリオにも「うーん」と唸らされるし、とにかくコルカタという街の空気や匂いが感じられるロケ撮影が素晴らしい(特に夜のシーン!)。タクシーやパトカーに乗って、窓からコルカタの街を眺めるヴィディヤーの姿を見ているだけでうっとりしてしまう。主役の二人が魅力的だから、ストーリーにどんどん入り込んでしまって、映画が終盤でギアチェンジする瞬間に、本当に驚かされる。衝撃度で言えば『ドライヴ』のエレベーターに匹敵するほど。この映画は歌も踊りもないストレートプレイで、アジアからの出品作としてカンヌとかで上映されてそうなクオリティ。よさげな映画を選んで見ているというのはあるけど、インド映画はスタッフの志の高さが目に見えて作品に反映されていて、こんな映画を見せられるともうインド映画から抜け出せなくなってしまう。
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