茄子

非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎の茄子のレビュー・感想・評価

3.3
アニメーションも蛇足で、ヘンリー・ダーガー好きな人にとっては「何を今更」な内容の詰め合わせ。それも当然で、生前はひとつも作品を発表せず誰にも知られていない絵描きだったから「本人の貴重なインタビュー映像」なんて出る筈もなく。実態は謎に包まれつつ、ある種「芸術家の鑑」として神秘的な存在になってしまったヘンリー・ダーガーに纏わるいくつかの手掛かりを無理やり捻り出して外堀を埋めるだけの内容になってしまったのは残念というか当たり前というか。ただ美術手帖の特集号の方がいちアーティストとしてもう少し掘り下げていた印象。とは言え、勿論「外堀」すら映像として今まで目にすることはできなかったので資料価値は高いし、単純に好きな画家のドキュメンタリー映画というだけで満足できた部分もある。
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