人の好意という漠然としたものと確固とした価値のある金銭と、生きるために本当に大切なのはどちらなのか
現実的に考えれば後者だろうが、だからといって前者がまったく不必要だとも思えない
子育てにも仕事にもドライなチャーリーがウィリーを見放さないのは、そこを理解しているからではないかと思った
一家の悲劇の原因は間違いなくウィリーにあるが、息子達に向かって“あなたたちのために身を粉にして働いた”と当たり前のことを恩着せがましく言う母親もどうかしている
父の呪縛を全身に浴びた長男、まったく浴びなかった次男
どちらも等しく憐れだ
ウィリーの想像通りの最期にはならなかったが、それを知らずに逝けたのは彼にとって幸せなことだったのかもしれない
多大なストレスを生み出すダスティン・ホフマンの熱演