COZY922

ドラフト・デイのCOZY922のレビュー・感想・評価

ドラフト・デイ(2014年製作の映画)
3.9
GM同士の駆け引き、選手達の願望、コミッショナーや監督の思惑、さらに熱狂的なファンや世論の重圧。利害が異なる様々な立場からのプレッシャーを背負い臨むドラフト当日のドラマがドラマティックで熱い‼︎

物語はNFLのドラフトが12時間後に迫ったところから始まる。自分の考えるチーム戦略と周囲のそれとの違い。首脳陣や選手間の摩擦、日頃の確執、チームの支持率や来年の勝算に加え、選手の立場からすると自分のポジションを脅かす者の行方やトレードの懸念、どのチームに入るかで選手人生さえも大きく左右される。降りかかる数々の難題をどう切り抜け納得の行く結果に収めるのか収められないのか? ミステリーでもないのに最後の15〜20分のジェットコースターのような展開はスリリングで爽快だった!

電話での駆け引きのシーンで両者の様子を映すために頻出するスプリットスクリーンもいい仕事をしている。目配せしたり何か指示を出したりと、会話と共に両者のリアクションを同時に見られ、それぞれの置かれた状況や次の一手をどう返すか出方を見るうえでとても効果的だった。

惜しむらくは恋愛要素や母親の登場の仕方。個人的には恋愛は要らなかったと思うし、重要な日だとわかっていながらあえてその日にこの話を持ち出す?みたいなところは違和感が残った。

ケビン・コスナー、このところパッとしない感じがあったのだけど、この作品はいいですね。ビジネスでも何でも全体最適と個々人の利害が一致しないことやベクトルが微妙に異なることが残念ながらよくあり、そういう意味でもあるある感があったし、駆け引きで必要な大胆さや相手のニーズとペインを踏まえた判断力が試されるGMの役にハマっていたと思う。

このドラフトが本当に成功だったのかどうかは、まだ誰もわからない。数年先のanother story 。
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