めめめのめーさん

美女と野獣のめめめのめーさんのネタバレレビュー・内容・結末

美女と野獣(2014年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

全く期待せずに見たら、思ってたよりもかなりよかった!

この映画の美術セットがものすごく好みで、見ていてずっとわくわくしてました。お部屋にちっちゃい洞窟みたいな泉があるところとか、城全体がイバラに覆われてるところとか、ベルの田舎のお家の庭に大きなオレンジのカボチャがでんと置物のように何個もなっているところとか、最初から最後までずっと好みの映像だったので、全く飽きることなく楽しめました。レベルは違うけど、マジョリカマジョルカの昔のCMが雰囲気似てるかも。

古典ミステリを読んでるときに感じるような日本語訳の会話のキャッチボールがあまり丁寧でないところや、子供向けじゃないおとぎ話の少し殺伐とした雰囲気も好き。

原作はうっすらと知っている程度だけど、原作に忠実に作られてるってわけではなさそう。原作はもっと静かな雰囲気でシンプルだった気がする。
ディズニー版のとはかなり違うので、ディズニー版が大好きで、あれの実写版かそれに近いものを期待して見た人はがっかりするかもなぁと思いました。お兄ちゃんクズだし、食器は動かないし…。

わたしはまったく別物と割り切って見たのでものすごく楽しめましたが、それでもディズニーのプリンセスものかはたまた日本の少女マンガか、とにかくそういった少女趣味にかなり頭をやられてますので、この映画の野獣の王子様時の姿にはかなりガッカリでした。

ブラックスワンで演出家の役をしてた人だと思うのですが、求めてた王子様のイメージと全く違いました…。ひげじゃん…胸毛じゃん!
てっきり中盤でできたって発表されてた息子が野獣なのかと思ったので、この人が野獣だってわかったときは思わずお前かい!ってツッコミそうでした。

DQNぽいやな感じだし、森の精と子作りまでしちゃうし、こんな王子様いやだ。
あの1番まともなお兄ちゃんみたいな人が王子様ならよかったのに。

ベルが野獣を愛する心情の変化がわかりにくかったところも少し残念かも。さっきまで「この獣!」みたいに言ってたのに、命を助けてもらったら(野獣のせいで氷から落ちたように見えたけど)、もう大好きになるのかなぁ…って感じ。

上記の、美女と野獣としてはわりと致命的な不満はあるものの、それを上回るうっとり世界だったので、コッポラのマリーアントワネットを見てうっとりする人はきっとこの映画を好きになるはず。おすすめです!

ベルが氷の中に落ちるシーンが特に綺麗で、大きいスクリーンで一面の青のあの映像が見れただけでも、映画館で観てよかったなと思いました。

冒頭の子供たちの「ウィー!」も堪らなく可愛かった。