キミシマユウキ

ラスト・ワールドのキミシマユウキのレビュー・感想・評価

ラスト・ワールド(2013年製作の映画)
2.8
学期末最後の哲学の授業として【10人しか入らないシェルターを20人の中から選ぶ】という思考実験が始まるが…

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なんとも惜しい作品。
思考実験の詳しい設定は
【何らかの原因で人類が滅亡する一時間前、10人が一年間暮らせるシェルターの中に20人全員異なった職業(医者や大工等の実用的なものからオペラ歌手まで)から選ぶ】
というもの、題材が哲学的で非常に興味深いものだったので、かなり期待を高めたのだが、残念だった。
そもそもあくまで思考実験なので教室から出ない。想像で色々な場所に行くのだが危険が訪れたり実験中死んだりしても教室の中で普通に会話してるので緊張感がない。
さらに設定や発言に少し矛盾が生じているので、徹底的に哲学の思考実験を貫くスタンスの割にそこはテキトーだった。

ーーーここから軽くネタバレーーーー

それだけならまだいい。
納得いかないのはその実験で出されたいくつかの答え。
ヒロインの最優等生(らしい)が出した
【実用的な技術を持った職業よりも芸術や文学に通じている人達を選ぶ】
という道の説明に全く納得がいかなかった。
言いたいことがわかるがキメテが足りない。エボラウィルスを持ち感染の可能性がある人間なんていたら自分だったら速攻撃ち殺している。
そして一番ウザかったのは冷酷な先生。
「感情より理性を重視しろ」という話を散々していたくせに蓋を開けてみたらこいつもただのクズ男じゃないか。実際にそこは皆さんに見ていただきたい。

面白かったのは【職業:詩人】の扱いと、【無精子症の大工】が選んだ思考実験の中で行った思考実験。残りの男性が”たまたま”事故で死んで女性を一人占めするなんてあの中でよく考えたもの、誰しもハーレムが好きだ(笑)
彼にだけは成績A+をさずけてあげよう。


哲学が好き、サバイバル系映画が好き、という方々はお暇なときにでもどうぞという感じの作品。