ふせん

グリーン・インフェルノのふせんのレビュー・感想・評価

グリーン・インフェルノ(2013年製作の映画)
3.0
ペルーに抗議活動に来ていた大学生達が乗った小型機が墜落。落ちたジャングルで、食人文化のある先住民に捕まってしまう。

想像以上にしっかりとしたあらすじで、スプラッタホラーの面だけに収まらない見応えがあった。

食人と聞くと反射的に眉をひそめてしまうけど、本作の描き方を見ると恐怖以外の感情もわいてくる。

希少部位は族長が食べる。催事的に執り行われることもある。各部位は解体して焼いたり、塩揉みをする。
これが牛や豚、鶏であるなら感覚的に理解できるのだ。生き物を食材として認識して、自分のなかの倫理観や良心が受け入れている。ヤハ族が部族の者以外を、自然の資源として考える文化なのだとしたら、たまたまそこに現れた生き物を焼いて食べても批判はできない筈だ。
突き詰めると、なぜ人は人を殺してはいけないのか?という問いになる気がする。思いつくのは、社会性を保つため、種の存続のため、という応えなのだが、それは自分がその輪の中に入ってるのが前提だろう。そうすると、彼らに自分を食べないでほしい理由が「痛いのが怖いから」という感情しかないところに恐怖を感じた。

食材としか見ていないのに、女性器切除しようとする流れは、ちょっと強引かもな。食人と同じように異なる"文化"という括りで繋げているのかな。それだけは蛇足かもと思った。

終わり方も色々な捉え方が出来そうで悪くなかったけど、Netflix版ではカットされている部分があるらしいのが少し気になっている。
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