ろめ

アクトレス 女たちの舞台のろめのレビュー・感想・評価

アクトレス 女たちの舞台(2014年製作の映画)
3.6
ラストはええ?ここで終わり??てなったけど全体的に満足感の高い作品だった。

過去の栄光に囚われ、かつての自分が演じた役しか受け入れられないマリア。
けれど現実は厳しく、ルームナンバーを渡しても昔の男からの連絡は来ない。役柄を変えての再演で注目が集まるはずなのに、話題は主演のまだ若いジョアンナのスキャンダルに簡単に切り替わる。

若く脚光を浴び、歩き続けて振り返るとその若さを持った他人が後ろに立っている。かつてのようには振る舞うことを許されない自分。
その葛藤や苦悩がうまく表現された作品だと思った。

舞台では若い女優にコテンパンに否定されるけれど、その一方でマリアこそがと受け入れる若手監督がいる。
打ちのめされたマリアの唯一の救いがそこだったのかな…。

欲を言うならば、マリアがどんな感情で舞台に立ち、演じたのかを見たかった。
余談ですがこの終わり方は小説の「チョコレートコスモス」を思い出しました。
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