すみす

ラブ&マーシー 終わらないメロディーのすみすのレビュー・感想・評価

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ザ・ビーチボーイズのブライアン・ウィルソンを題材にした映画。世紀の名盤「Pet Sounds」制作で苦悩や葛藤をする若き日のブライアンと、精神的に追い詰められ完全に社会から離脱していた「Smile」制作前のブライアンが交互に描かれる構成。

この映画を観て改めて確認したのがブライアン・ウィルソンという作曲家の偉大さだった。初期はもちろん、やっぱり「Pet Sounds」期の曲は劇中のレコーディングシーンでイントロが掛かるたびに凄い名曲の数々だなと思い知らされました。「神のみぞ知る」「素敵じゃないか」「キャロライン・ノー」そして「グッド・ヴァイブレーション」…天才が作った珠玉のポップソングたちが劇中ではたくさん聴けます。

話に関しては特別ビーチボーイズやブライアン・ウィルソンに思い入れがあるわけでもない自分には「へー」と思うような点も多かった。ああいった経緯で発売された「Smile」、リアルタイムで出たはふーんくらいのものだったけど、こういった経緯があると知っているファンの人からしたら感動的だったと思う。

昔何かの本で「ビートルズにはジョンもポールもジョージ・マーティンもいる。でもブライアンはたった一人で彼らに対抗した」というのを読んだが、その苦悩の大きさがこの映画を観て改めて理解できた。

アメリカが生んだ偉大なポップスターの少し暗めの伝記映画、ポピュラーミュージック好きな方は是非。
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